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生きた赤ちゃんを誤って焼き場へ、自ら開腹手術する貧しき患者…中国の信じ難き“医療の現場”一断面

中国の医療機関で、治療内容や診療費用などに不満を持った患者や家族による医師らに対する暴力事件などが頻発している。親族などが集まって暴動状態になったり、医師らが死亡したりしたケースがあり、当局は病院の警備態勢強化するとともに、第三者による調停委員会の設立も進めている。患者や家族の怒りの背景には、診療費が高額な一方で、ずさんな医療行為が横行していることもあるという。


新生児が焼き場に


 患者や家族らによる医師らに対する暴行事件が頻発する一方で、医療機関側にも、ずさんな医療行為や不正行為が横行している。

 現地からの報道によると、安徽省の病院で昨年11月、死亡と診断され、葬儀場に運ばれた新生児がまだ生きていることに葬儀場の職員が気づき、再び病院に搬送されるケースがあった。

 広東省でも11年11月に、看護師が早産の赤ちゃんを死産と勘違い。霊安室に運ばれた“遺体”と対面した母親が息があるのに気づき、“生還”した医療ミスも報じられている。

 一方、陝西省では昨年8月、公営病院の産婦人科の医師らが、新生児を誘拐して売却したとして逮捕されている。医師は、出産直後の母親に「赤ちゃんは先天性の病気がある」として治療を断念させ、子供を託すように説得したうえで、2万1600元(約35万円)で売却したという。

 河南省鄭州市の病院で昨年3月、盲腸の手術を受けた女児(10)が、手術後も腹痛が治まらず、別の病院で診察を受けたところ、子宮まで摘出されていたという。


同省内では、先天性の心臓疾患を患っている女児(2)が治療のための手術を受けた際、開始から2時間たって、執刀医が「必要な医療機器が足りないので手術を中止する。北京の大病院への転院をおすすめする」と、家族に告げ、女児は2日後に死亡したケースなども報じられている。


病院で暴れる人たち


 中国メディアなどによると、浙江省の病院で昨年10月、治療を受けた30歳代の男が手術の結果に不満を持ち、医師1人を刺殺、別の医師2人もナイフで刺し、けがを負わせた。

 湖南省長沙市の病院では昨年9月、若い男が刃物で看護師3人を切りつける事件が発生した。男は4カ月前に整形美容科でひげの植毛手術を受けたが、手術結果に不満を募らせて、担当医に抗議。医師の説明に納得せずに、近くにいた看護師を切りつけたという。

 また、上海市では同月、6階建ての美容整形外科病院の屋上に女性が上り、屋上のへりに座ったり、看板の上をはい回るなどの行為を繰り返した。女性は数時間後に説得に応じて、保護されたが、以前に受けた豊胸手術が失敗したとして、同病院に抗議していた。

 一方、2009年には福建省の病院で、腎結石の手術を受けた患者の容体が急変して死亡したことに対して、遺族が賠償を要求。拒否した病院に親族を引き連れて乗り込んで医師を軟禁したこともあった。

 ほかにも治療に不満を募らせた患者の家族らが数十人単位で病院に乗り込んで、医師を殴打したり、病院施設を破壊するなどの事件も報じられている。

自ら腹を開く


 日本と同様、医療費の財政負担が増大している中国政府は1980年代後半から、医療機関への補助金を大幅に削減。薬代で病院収入を補うなど、患者からの医療費徴収で病院運営を行う傾向が強まったという。

 患者から多くの医療費を徴収できる医師が評価され、多くの病院で過剰な検査や投薬が横行。個人負担が増加した患者や家族らから、医師や病院に対する不信感が高まっている。 

 一方、最先端の医療設備や優秀な医師が集中する都市部と、医療事情が厳しい農村部との格差も拡大している。農村部では、高額な医療費を支払えない患者が、自ら患部を切り取るなどの自己手術が頻繁に行われている。

 中国メディアは昨年10月、広西チワン族自治区で、腸にがんを患っていた高齢男性(79)が自ら、腹を切り裂いて患部を取り出そうとして出血多量で死亡したと報じている。

 また、江蘇省で30代の男性が壊死(えし)した足の指を麻酔なしに切断。河北省では壊死した右足をのこぎりで自ら切断したなどの事例も紹介している。いずれも、医療費の高騰で手術費が払えず、命を守るため、危険を承知で自己手術に踏み切ったという。

 日本では、中国の富裕層などをターゲットにした「医療ツーリズム」の振興を図られており、大阪でも特区として取り組みが始まっている。中国の貧富の格差の拡大は、医療現場でより鮮明になっている。


2014.5.4

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140504/waf14050407000001-n1.htm







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