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実は“マグロ漁船”だった韓国の最新「救助艦」…軍用ソナーの代わりに魚群探知機、監査で判明した嘘のような事実

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「最新鋭」の看板とは裏腹に40年前の性能のソナーを搭載していたと指摘され、韓国内で大問題になった海軍の救助艦「統営(トンヨン)艦」に、さらなるスキャンダルが持ち上がった。搭載されていたのは軍用ソナーではなく、漁船用の「魚群探知機」だったことが監査で明らかになったのだ。探知機自体は最新鋭でマグロ漁に適しているとされるが、韓国内では「1600億ウォン(約160億円)の税金を投入して軍艦ではなく、高性能のマグロ漁船を建造したのか」と軍や防衛当局に再び批判が集中している。


ソナーをめぐる問題…結局、300人は“イヌ死に”

 統営艦(3500トン)は、沈没もしくは沈みかけている軍艦や潜水艦から乗員を救助、曳船(えいせん)するための救助艦(救難艦)として2010年起工、12年に進水した。以降、さまざまな装備の設置工事を行っていたが、海軍への引き渡し予定の昨年9月になっても完成せず。今年4月のセウォル号沈没事故でも現場に姿はなく、「無用の長物」(東亜日報電子版)などと厳しく批判された。

 さらに10月には、事故を起こした潜水艦や沈没船の位置を探る「サイドスキャンソナー」について、国政監査を行った韓国監査院が「40年前に建造された旧式の韓国軍艦と同じ水準・仕様だ」と指摘。装備品の導入を統括する防衛事業庁が勝手に要求性能を下げ、2億ウォン(約2千万円)のソナーを特定の業者から41億ウォン(約4億1千万円)で購入していた-と朝鮮日報(電子版)など現地メディアが一斉に報じ、大問題となった。


なぜ40年前の旧式ソナーが使われていたのか、この20倍の水増し請求で浮いた差額の39億ウォンはどこへ消えたのか。不正をただすため、ブローカー(仲介業者)の米ハケンコ社や元防衛事業庁職員、軍の幹部に対し、野党議員らが中心になりさらに監査が行われた。

その結果、判明したのは「実はソナーは軍用ではなく、漁船用のものだった」という驚愕(きょうがく)の事実だった。



完成しない辛さ

 現地の報道によると、漁船ソナーを積むようになったいきさつはこうだ。

 そもそも統営艦は、米国シアトルに本社を置くWESMAR(ウエスタン・マリン・エレクトロニクス社)の軍事用ソナー「MS3850」を搭載する予定だったが、海軍では「要求性能を満たしていない」として艦の受け取りを拒否。理由については、賄賂が足りなかった▽仲介業者と軍担当者のソリが合わなかった-などと疑う見方もあるが、結局、統営艦は未完成のまま港にむなしく浮かんでいた。

 そんな時にセウォル号事故が発生し、海軍と統営艦は批判にさらされることに。

 なんとか〝完成〟させなければ-。とはいえ海軍としては、一旦「不合格」の烙印(らくいん)を押した「MS3850」は、「性能が低い」と言った手前使えない。一方、このままではブローカーのハケンコ社も非難の的になりかねない。

 そこで同社がひねり出した窮余の一策が「とりあえず別のものを積めばいい」ということだった。


とりあえず何か積め

現地メディアのハンギョレ(電子版)などによると、ハケンコ社は5月、海洋機器メーカー、シムラッド社(ノルウェー・コングスバーグ社グループ)の魚群探知機SH90を統営艦に搭載した。これには、防衛事業庁の許可も得ていたという。

 しかし、こんな“急場しのぎ”がいつまでも通用するわけはなく、秋の国政監査でソナーの性能が明らかに。最初は40年前の旧式ソナーと指摘されたが、実際は軍用ではなく、漁船用の魚群探知機だったと判明した。

 ちなみにシムラッド社HPには「SH90 魚群探知機 高解像度、高周波数」という表記とともに、ソナーの画面があり、「北海でのツナ(マグロ、カツオ類)の群れを捕らえた様子。方向や深さ、群れの速さもよくわかる」などと説明されている。どう見てもマグロ漁船用だ。

 このことについて、渦中の防衛事業庁のキム・シチョル報道官は「海軍に早く渡すために、新しいソナー(魚群探知機)を設置したわけではない。性能評価のため、いったん統営艦に装着しただけだ」と、説明にならない説明に終始。結局、「海軍の要求性能を満たしておらず、使用できないレベル」として返却を決定したが、野党議員は「軍艦に魚群探知機を付けるとは、安全保障の放棄だ」と憤りを隠さない。


それでも実戦配備へ

 11月26日、韓国海軍は現地マスコミを招き、釜山沖で魚群探知機を積んだ統営艦のデモンストレーションを実施。ただし魚群探知機は返却するため電源はオフの状態で、海域で仮想沈没船の真上に位置しようとした統営艦は、別の掃海艇に逐一無線で指示を受けながら移動せざるを得なかった。


それでも海軍は「ソナーがなくても、旧式の救助艦『光陽』(1968年建造)よりはるかに優れた能力を発揮できる」と強気を崩さず、韓国軍の合同参謀本部は「統営艦」の早期戦力化を決定した。


装備はあとで買う

 ソナーはあとで装備するが、とりあえず艦は軍に配備された。いつものことだが、この「あとで買う」は韓国軍に浸透する構造的な欠陥と言っていい。

 朝鮮日報やテレビ「News1」など現地マスコミによると、戦闘機や戦車、自走砲を導入するときも、必要な補充をはじめ、交換部品や弾薬、ミサイルの購入は後回し(そして多くの場合、その後も購入しない)。

 一見すると初期導入の契約額や単純計算による1機ごとの単価は諸外国より安く見えるが、実際は入札を何十回と繰り返してしつこく値切るため、辟易(へきえき)したメーカーから“必要不可欠な付属品”を省かれただけだ。

 こうした値切りは現在も続いている。例えば今年導入を決めた米国のステルス戦闘機F-35。韓国は入札を50回以上繰り返した末、入札そのものを無効にするなど信じがたい態度に出た。


ミサイルでさえ張り子の虎…「本物のソナー」いつ取り付けるのか

結局は総額7兆3418億ウォンで40機を購入。1機当たり1210億ウォンと、韓国の手の届く価格で契約できたが、朝鮮日報(電子版)などによると、空対空ミサイルは必要量の45%しか購入せず、予備エンジンに至っては1基だけ。空軍は「武装などに気を配る余裕がなかった」と話したという。統営艦に本物のソナーが付く日は来るのだろうか。



2014.12.8
http://www.sankei.com/west/news/141208/wst1412080002-n1.html





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