韓国を助けるな、教えるな、関わるな★古田博司氏に聞く「東アジア3カ国との付き合い方」


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日韓関係は冷却したまま。中国ともあつれきが絶えず、北朝鮮とは緊張関係が続いている。東アジア3カ国とどう付き合うべきか。左翼・リベラル派の政治家、マスコミ、研究者はもとより、保守派の政治家、外交官、ジャーナリストでも大方は友好関係維持が基本的な考え方だ。極力、対話を続け、譲るところは譲ることが日本の長期的な平和と安全につながる、という意見が多い。



 だが、長年、朝鮮半島の歴史や政治を研究してきた筑波大学大学院教授の古田博司氏は「韓国に対しては『助けない、教えない、関わらない』を『非韓三原則』にして日本への甘えを断ち切ることが肝要」と説く。

 助けても教えても恩を仇で返すのが彼の国の性格で、関わらないのが日本のためになるという。中国、北朝鮮に対してもほぼ同様に接するのが賢明だと主張する。

 「『それでは日本はアジアで孤立する』などと恐れることはない。日本は多くのアジア諸国から支持されている。孤立しているのは東洋的専制国家の東アジア3カ国の方だ。ただ、韓国と手を切る戦略について日本の最大の同盟国である米国を納得させることが肝要だ」

 こう主張する古田教授に、韓国を中心に東アジア3カ国との付き合い方を聞いた。




なぜ「非韓三原則」なのか

井本 「非韓三原則」を説く理由からお聞きします。

古田 助けてもロクなことがないから。教えても感謝せず、むしろ「ちゃんと教えない」などと難癖をつけてさらに要求してくる。

 日本は幕末から明治維新にかけて初めて西洋に出会った、とよく言われますが、実は当時、東洋にも初めて出会ったのです。

 何も知らないのに、自分も東洋人だから、東洋のことはよく知っていると思い込んでいた。それが間違いのもとだった。

 明治期の朝鮮は驚くほど遅れた貧しい国家で、針一本作れない。木を丸くする技術もないので樽もクルマの車輪も作れない。染料がないので、衣服はすべて白衣でした。近世でも中世でもなく、古代に近かった

清国(中国)は大国ではあったが、古代王朝の世界に沈潜していた。ウソ、ごまかし、裏切り、汚職が横行する。それが東洋であり、実は日本は東洋ではなかった。それなのに、東アジアの現実を何も知らず、「日本は東洋の国々と連携して西洋列強に対抗しなければならない」と考えるアジア主義が広がっていました。それは今でも続いていますが。


 戦後は、戦前に中韓に迷惑をかけたという贖罪意識もあって友好第一ということになった。でも、援助しても教えても、反日運動は強まるばかり。プライドが高く、日本を見下しているからです。だから関わらないことが日本にとって一番なんです。

井本 では戦前、韓国を併合したのも間違っていた?

古田 いや、当時は帝国主義の時代でロシアの南下を防ぐために、朝鮮を確保せざるを得ませんでした。朝鮮半島をロシアに取られたら、日本列島まで攻め込まれる危険が大きかった。

井本 日露戦争に勝利した後、韓国を併合せずに独立させていれば韓国は日本に感謝し、その後良好な関係が続いたはずだ、という見方もありますが。

古田 それは当時の朝鮮の経済、社会状態を知らない人の意見です。古代のような貧しい朝鮮は清国の属国として全面依存しており、とても独立できるだけの経済・社会基盤はなかった。朝鮮の国庫は空だったのです。

 で、日本は対ロ防衛のために朝鮮を近代化させる必要があった。莫大な投資をして教育水準を高め、民生を向上させねばならなかった。その負担が大きすぎ、日本の朝鮮経営は大赤字が続きました。




日韓通貨スワップ協定も平昌オリンピック支援も必要なし

井本 後知恵ですが、それならロシアとは戦わず、朝鮮併合もせず、日本海側の防備だけを固めておくという政策もあったのではないか。ロシアに朝鮮を支配されたとしても、ロシアは朝鮮経営に足を取られて疲弊し、日本に攻め込む余力はなかったかもしれません。

古田 当時は帝国主義の時代ですよ。ロシアには奴隷制の歴史もあり、囚人をシベリア送りにする国でした。面倒なことになるなら、朝鮮人を農奴にするだけのことです。朝鮮民族を全滅させる方法を取ることもできた。インカ帝国などはそうして滅びたではないですか。民族の征服、滅亡があちこちで起こっていた時代です。

井本 なるほど。話を元に戻すと、2月に金融危機の際に外貨を融通し合う日韓通貨スワップ協定が終了しましたが、韓国の金融事情には不安があり、イザというときは韓国が協定復活を頼みこんでくる可能性があります。これも助けない方がいいと・・・。

古田 韓国は日本の金融支援に対し感謝しないどころか、韓国の金融危機は日本に原因があったような言い方をする。恩を仇で返し、同情すると、すぐにたかってくる国です。関わらないに越したことはない


韓国が通貨協定終了で強気なのは、イザとなれば中国に助けてもらえると考えているからでしょう。中国も今はその構えですが、でも、そうなれば中国が韓国にたかられ、韓国は中国に首根っこを締め上げられる関係になります。だから、こちらは傍観していればいいんです。



井本 2018年冬の平昌(ピョンチャン)オリンピックも経済面、運営面で準備不足と言われ、日本の支援を求めてくるとも予想されています。

古田 助けてはなりません。支援してもオリンピックが円滑に運ばないと、日本のせいにされるのが落ちで、少しも日本のプラスになりません。2002年のサッカー・ワールドカップの日韓共催でも、いろいろ苦い思いをさせられたではありませんか。

井本 慰安婦問題で朴槿恵(パク・クネ)大統領は「日本が誠意を見せなければ首脳会談はできない」と言い続けていますが。

古田 これこそ日本は日韓基本条約で解決した問題だとする従来の毅然とした態度を貫くべきです。どんなに譲歩しても必ず、まだ誠意が足りないと言ってきます。今の韓国は反日が国是で、日本に謝罪を続けさせることが、自らの政権維持につながるからです。





韓国の中国接近は必然

井本 古田さんは雑誌「WiLL」2月号で元外交官でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏と対談しました。宮家氏は「(韓国が日米韓の枠組みを離れ)中国に寄り過ぎないように牽制する必要がある・・・そのためには(日本は)韓国と付き合っていかなければならない」と強調しています。これに対し、古田さんは「無駄でしょうね」と応じています。

古田 韓国は中国との貿易が最大となり、経済的に弱体化していることもあって中国への経済依存がどんどん強くなっています。地政学的、歴史的な経緯もあって中国にすり寄らざるを得ない状況です。


 また、韓国は民主的な政治体制が崩れ、強権政治になりつつある。独裁体制の北朝鮮と似てきています。

 朴大統領の任期は2018年2月まで。急速に人気が衰えていることから、それ以前に大統領の座を追われる可能性もあるが、いずれしろ、今の情勢では次期大統領は最大野党である新政治民主連合になるでしょう。

 こちらの方が、文在寅(ムン・ジェイン)代表や、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長など、人材がそろっています。

 2人とも確信犯的な親北朝鮮派です。すると、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代のように北朝鮮に資金援助するようになり、両国はもっと近づいていくでしょう。これに、中国も加わって3国連合になっていく可能性が高い。だから、日本がいくら韓国に接近しようとしても無駄な努力に終わると見ているのです。

井本 北朝鮮が金正日(キム・ジョンイル)氏の元側近で中国と近しかった張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑して以来、中国と北朝鮮の関係は冷却化していますが。

古田 中国は重油の対北朝鮮輸出を止めていますが、石油精製品の輸出は増やしている。そういう馴れ合いがあるんですよ(笑い)。関係が悪化しても中国が北朝鮮を経済的な支配下に置く関係は変わってません。


井本 南北朝鮮が一緒になり、中国が両国を支配するようになったら、強大な専制国家が誕生し、日本の平和と安全保障が危うくなるという見方についてはどうですか。

古田 それほど心配する必要はありません。まず北主導の南北統一はあり得ない。韓国は北朝鮮に従属するなんて関係を認めません。

井本 でも、次期大統領の有力候補は親北派で、韓国民の多くも北朝鮮になびいているのでしょう。

古田 それは1990年代以降、北朝鮮の韓国への思想工作が奏功したこともあって「北朝鮮は抗日戦争の結果、誕生した。歴史的正当性を持っている」と多くの韓国民に思われているからです。戦ったと言っても日本の討伐隊に追われて極東ソ連領に逃げ込むような状況でしたが、戦ったことは間違いない。

 一方の韓国は米軍に解放されたのであって、自ら独立を勝ち取ったわけではない。だから対北朝鮮コンプレックスがある。「北の方が立派なんじゃないか」と。


 しかし、経済も軍事も韓国の方が格段に優位。韓国民は自分たちの方が上だというプライドも強い。だから、韓国が北朝鮮に支配される形の南北統一はあり得ません。

井本 北朝鮮は核兵器やミサイルを持っていますが、朝鮮半島が日本にとって危険な国家に統一されることはないと?

古田 北が核兵器やミサイルを保有していると言っても、それだけのこと。米国と軍事同盟を結んでいる日本に攻め込むなどということは考えられませんね。





中国による朝鮮半島支配は恐るるに足らず

井本 でも、中国が朝鮮半島を飲み込む形で支配すれば、日本への脅威が増すのではないですか。

古田 中国は経済的、政治的に朝鮮半島を支配下に置いておけばいいんです。領土として欲しいわけではない。また、朝鮮が政治的に南北統一されるのはいいけれども、DMZ(38度線・非武装中立地帯)がなくなるのは困るのです。

 朝鮮半島は北東側に険しい山脈がありますが、西側はほとんど平坦な土地で、いわば「廊下」です。中国の遼東半島から平壌(ピョンヤン)、ソウルを通り半島南西部の海岸まで抜ける廊下。だから、朝鮮戦争では一度韓国軍が半島南部まで一気に追い詰められたものの、南から米軍が上陸し「廊下」を伝わって、これまた一気に押し戻した。これに中国があわてて、参戦してきた

地政学的に言って、朝鮮半島は中国の弱点なのです。歴史的にも北からモンゴルなどに攻め込まれています。弱点を補強するにはDMZを保持し、廊下に壁を作る必要がある。だから、中国は南北統一があっても38度線が残るように、1国2制度のような形を支持する可能性が高い。



 連邦形式にして北、南双方の自治権を残す。この仕組みは北朝鮮、韓国双方にとっても都合がいい。結果として韓国が緩衝地帯となるので、米国にとっても悪くない。だから、中国は「中国優位のもとで南北連合はするけど、1国2制度にして38度線は置いておくという線でどうか」と、米国と交渉するかもしれない。

井本 それは日本にとってもいい?

古田 そうです。第一、中国主導の朝鮮統一が実現したとしても、強大な統一国家にはなり得ません。一緒になったら、朝鮮半島では必ず南北双方で仲違いを起こすとともに、両者で別々に反中国運動が起こります。

 歴史的に朝鮮は中国に従属し、様々な経済援助を受けながらも、いろいろと文句をつけ、難題を吹っかけ、もっと援助を寄越せと注文するなど、ゴタゴタが絶えなかった。中国、北朝鮮、韓国の三つ巴の内部争いが続き、疲弊し、日本に脅威を与える余力などほとんどでてきませんね。

 だから、3国連合を不安視することはない。ほっておけばいいのです。韓国が中国側に行くように積極的に仕向けて一緒にし、その後のゴタゴタで双方を疲れさせるようにするぐらいでちょうどいい。





米国を説得する方法


井本 米国は東アジアの緊張が高まるのを懸念し、「韓国と仲良くしろ。慰安婦問題なども譲歩せよ」と日本に圧力をかけてきています。

古田 日本政府は韓国の問題点を具体的に米国に説明すべきです。

 第1に、韓国は日本の領土(竹島)を奪い、日本を仮想敵国として軍事演習を行っている。第2に、韓国は日本の元首(天皇)を侮辱し、邪悪な対日敵対宣伝行為を全世界的に繰り広げている。

 第3に、日韓基本条約など国際的な基本条約、協定を反古にする韓国の司法に政府が加担し、三権分立を悪用するのみならず、反日の過去訴求法を実施し、自由民主主義に反する国民弾圧を行っている。

 その上でマーク・リッパート駐韓米国大使がソウルで暴徒に襲われ、大けがをした例を示しながら「韓国は法治国家でなく、日米と共通の価値観もない。助けるは必要ない」とはっきり言えばいいんです。米国も最近は自分勝手で一方的に甘えてくる韓国に嫌気が差してきている。軍事予算を削減する必要もあって、駐留韓国軍は早く撤退させたいとも考えています。

 ただ、中韓が結束したら困るとも思っている。だから、「結束してもすぐに仲違いを始めるから心配する必要はない、歴史的にそうだった」と、米国を説得すればいいんです


井本 先ごろ、外務省はホームページで韓国に関する記述のうち「我が国と自由と民主主義、市場経済等の基本的価値観を共有する」という項を削除しました。

古田 あれは産経新聞の前ソウル支局長を起訴して出国禁止にするなど、およそ民主国家にあるまじき行動があったことなどが原因です。もっとも、あの削除程度では韓国は動じないでしょう。

 ただ、安倍晋三首相が昨年7月に「朝鮮半島有事の際、日本の基地にいる米軍を出動させるには日本の了解が必要」とした発言は、かなり韓国に利いたと思う。韓国はこれまでどんなに日本にひどい態度をとっても、必ず最後は助けにくると、日本に甘えてきた。米国の要求もあり、日本は韓国を助けざるを得ないはずだと。

 安倍首相はこれに対し「常に助けるわけではない、韓国次第だ」と暗黙に歯止めをかけたことになる。適切な発言ですね。





安倍首相の戦後70年談話も米国重視が基本

井本 安倍首相と言えば、夏に発表する戦後70年談話にも、戦争の反省などについて海外の注文がついています。

古田 中韓は何を言っても文句をつけてきます。だから、無視すればいい。問題はやはり米国で、米国が納得する形での談話にする必要があります。基本は日米同盟です。

 今、軍事的にも危ないのは尖閣諸島ですね。あそこは石油ルートの要だし、中国海軍が西太平洋に出るための要衝で、中国が支配しようと狙っている。でも、日米同盟が万全ならば恐れることはない。このため、安倍政権が集団的自衛権の行使容認に踏み切ったことは適切でした。

井本 貿易など中韓との経済的な関係はどうするのですか。

古田 今まで通り、続ければいい。ただし、過去に迷惑をかけたからなどと変な贖罪意識を持って、こちらが損するような技術・金融支援は一切、行わないこと。つけ込まれて要求水準を高めてきますから。双方が納得いくギブ&テイクの取引を淡々と進めることが肝心です。

2015.4.6
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43424



古田博司(ふるた・ひろし)氏 筑波大学大学院教授。1953年横浜生まれ。慶応大卒、1980年から6年間、韓国の延世大、漢陽大で日本語講師。帰国後、下関市立大専任講師、筑波大学助教授を経て2000年に筑波大学教授就任。著書に「東アジアの思想風景」(サントリー学芸賞受賞)、「東アジア・イデオロギーを超えて」(読売・吉野作造賞受賞)、「東アジア『反日』トライアングル」、「醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!」など。





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