【杉田水脈】ユネスコ記憶遺産申請に昭和天皇を処刑する絵が…しかも主導しているのは日本人だったのです

 前回のなでしこレポート(12)でご紹介したひまわりJAPANがニューヨークで開いた講演会「このままでいいのか、日本!」に行ってまいりました。おかげさまで在米日本人の方々約100人がご参加いただき、大盛況でした。

 講師は、明星大学教授などを務める教育学者の高橋史郎先生、弁護士の徳永信一先生、ニューヨークで歴史問題研究会を主宰しておられる高崎康裕先生、そして私の4人が務めました。

 私はともかく、他の3人の先生のお話はどれも非常に興味深い内容でしたが、もっとも衝撃的だったのは、高橋先生の講演「ユネスコ記憶遺産『慰安婦』共同登録申請の問題点と課題」でした。

 昨年(2015年)10月、フランス・パリに本部があるユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産に、中国が申請した旧日本軍による南京事件に関する資料11点が登録されたことは記憶に新しいと思います。

 2014年6月に中国がこの「南京事件」に関する登録申請をユネスコにした際、同時に慰安婦問題も申請していました。ですが、ユネスコは南京事件のみを採択して、慰安婦問題の登録を見送り、他国の資料も合わせて共同申請するように推奨したのです。

 ということは、ユネスコの助言に従った今回は登録が認められる可能性が非常に高いと考えられます。
これが登録されると、「日本軍が朝鮮半島において20万人の女性を強制連行して性奴隷にした」というこれまでの嘘をはるかに上回る大嘘が世界に認められることになってしまいます。

 つまり「中国大陸でも中国人の慰安婦が日本軍によって強制連行された」「中国人慰安婦は朝鮮人慰安婦よりもさらに酷い取り扱いを受けた」
「慰安婦は朝鮮半島出身の女性20万人に加えて中国にも20万人強が存在した」ということが事実かのように世界中でまかり通ってしまうのです。

 今回中国とともに慰安婦問題を申請したのは、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダ、東ティモールと日本の8つの国と地域の民間団体です。櫻井よしこ先生によれば、最終段階でイギリスの博物館も参加して9か国となったそうです。
なぜ、イギリスの団体まで参加することになったのか、経緯は不明です。

 これまでの経緯から、主導権を握っているのは中国だと考えていたのですが、今回、高橋先生は仰天の「新事実」を明かしてくれました。

 「主導権を握っているのは中国ではありません。元々、この申請を陰で主導していた韓国政府も日韓合意後は手を引いています。では、一体どこが主導しているのか? それは日本なのです」

 つまり、この件を主導しているのは日本の民間団体NPO法人「女たちの戦争と平和人権基金 WAM(Women’s Active Museum on war and peace)」だったのです。

 この団体は、世界中で「従軍慰安婦」問題に火を付けて回った元朝日新聞記者でジャーナリストの故松井やより氏の遺志を受け継ぎ、2002年12月に設立されました。
2003年6月にはNPO法人の認証を取得し、2005年には東京都の西早稲田に戦時性暴力や慰安婦問題を伝える資料館「女たちの戦争と平和資料館」をオープンさせています。


 HPを見ると、(1)ジェンダー正義の視点で戦時性暴力に焦点をあて(2)被害と同時に加害責任を明確に(3)平和と非暴力の活動の拠点を目指し(4)民衆運動として(5)国境を越えた連帯活動を推進する、
という5つの基本理念を持って運営していると書かれています。

 高橋先生は、今回のユネスコに提出された資料を色々と提示されました。ほとんどは、米国などで次々に建てられている慰安婦像の写真や絵画、イラストなどにすぎず、「歴史的価値」があるとは到底思えません。

 その中で、ひときわ目を引く赤い絵がありました。なんと昭和天皇とみられる男性が目隠しされて木に縛り付けられ、今にも処刑されるようにいくつもの銃口が向けられているのです。

 この絵は、法廷を模した民間団体の抗議活動「女性国際戦犯法廷」の象徴になっているらしく、「女たちの戦争と平和祈念資料館」に飾られているそうです。そして彼らは、この赤い絵までも「慰安婦問題の歴史的証拠」としてユネスコに提出しているのです。

 ここで「女性国際戦犯法廷」について少し説明したいと思います。
正式名称は「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」で「戦争と女性への暴力日本ネットワーク」(VAWW-NET Japan)が中心となり、2000年に東京で開催され、2001年にオランダで「最終判決」として要求事項などを発表しました。

 この疑似法廷では「第二次世界大戦中において旧日本軍が組織的に行った強姦、性奴隷制、人身売買、拷問、その他性暴力等の戦争犯罪」について「裕仁(昭和天皇)は有罪、日本政府には国家責任がある」と断じているのです。

 単なる法廷を模したプロパガンダにすぎず、あまりの馬鹿馬鹿しさに反論する気力も失せるのですが、韓国政府はこの法廷を慰安婦問題の賠償を求める根拠の一つにしているのです。
つまり、日韓合意で10億円を韓国側に支払うことを閣議決定した日本政府は間接的にこの法廷の判断を認めたことにもなりかねません。

 しかも、このようなイラストまでがユネスコの世界記憶遺産に登録されてしまうと、世界に「慰安婦=性奴隷」という誤った事実がますます独り歩きするどころか、
「昭和天皇=有罪」というとんでもないことを、さも正当であるかのようにまかり通ることになってしまうのです。高橋先生はこう断言しておられました。

 「今回の共同登録は15年前の女性国際戦犯法廷の再現です」

 私はなにより、このイラストに強い憤りを感じました。天皇陛下に対するこのような侮辱が許されてよいはずがありません。なぜ、日本のマスコミは問題としてもっと大きく取り上げないのでしょうか。天皇陛下を侮辱することは日本を侮辱することにほかなりません。

 日本人による暴挙は日本人が止めなければなりません。この記事がきっかけとなり、「こんな不敬は許されない」という世論が広まり、WAMの活動家たちの常軌を逸した行動を止めることができることを心から願います。



■杉田水脈(すぎた・みお) 昭和42年4月生まれ。鳥取大農学部林学科卒。西宮市職員などを経て、平成24年に日本維新の会公認で衆院選に出馬し、初当選。
平成26年に落選後は、民間国際NGOの一員として国際社会での日本の汚名をそそぐために活動を続けている。好きな言葉は「過去と人は変えられない。自分と未来は変えられる」。

http://www.sankei.com/premium/news/160827/prm1608270016-n1.html



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