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Common Sense: 「希望の同盟」対「憎悪の同盟」
~ 安倍首相の真珠湾スピーチから

 日米同盟はシナ・北朝鮮の野望から世界を救う「希望の同盟」。

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■1.「1人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた」

「耳を澄ますと、寄せては返す、波の音が聞こえてきます。降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い静かな入り江」

 ハワイのうららかな日射しに照らされた真っ青な海が目に浮かぶようだ。平成28年12月27日、安倍首相の真珠湾でのスピーチの出だしである。

 その真珠湾に眠る米軍兵士たちに、首相は思いを馳せる。

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 耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、兵士たちの声が聞こえてきます。あの日、日曜の朝の、明るく寛(くつろ)いだ、弾む会話の声。自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。

 最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。生まれてくる子の、幸せを祈る声。一人ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。愛する妻や、恋人がいた。成長を楽しみにしている、子供たちがいたでしょう。

 それら、全ての思いが断たれてしまった。その厳粛な事実を思うとき、かみしめるとき、私は、言葉を失います。その御霊(みたま)よ、安らかなれ――。思いを込め、私は日本国民を代表して、兵士たちが眠る海に、花を投じました。[1]
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 慰霊とは、まさに戦いで亡くなった人々のありし日に思いを馳せ、その人のかけがえのない未来が失われてしまった事を悼む心から始まる。


■2.「勇者は、勇者を敬う」

 かつての敵どうしが、こうして互いの英霊に哀悼の誠を示すとき、和解が訪れる。

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 昨日、私は、カネオヘの海兵隊基地に、一人の日本帝国海軍士官の碑(いしぶみ)を訪れました。その人物とは、真珠湾攻撃中に被弾し、母艦に帰るのを諦め、引き返し、戦死した、戦闘機パイロット、飯田房太中佐です。

 彼の墜落地点に碑を建てたのは、日本人ではありません。攻撃を受けていた側にいた、米軍の人々です。死者の、勇気を称え、石碑を建ててくれた。碑には、祖国のため命を捧げた軍人への敬意を込め、日本帝国海軍大尉(だいい)と、当時の階級を刻んであります。

 The brave respect the brave. 勇者は、勇者を敬う。アンブローズ・ビアスの、詩(うた)は言います。

 戦い合った敵であっても、敬意を表する。憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。[1]
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 国のために殉じた人々を互いに悼む慰霊こそ、和解への道である。


■3.「和解の力」

 こうした慰霊を礎(いしずえ)として、日米は強固な同盟関係を築いてきた。

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 あの「パールハーバー」から75年。歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国となりました。

 それは、いままでにもまして、世界を覆う幾多の困難に、共に立ち向かう同盟です。明日を拓く、「希望の同盟」です。私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」です。

 私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。それは、この、和解の力です。戦争の惨禍は、いまだ世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。寛容の心、和解の力を、世界は今、今こそ、必要としています。

 憎悪を消し去り、共通の価値の下、友情と、信頼を育てた日米は、今、今こそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく、任務を帯びています。日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。[1]
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■4.「リメンバー・パール・ハーバーの意味を反転させ上書きした」

 安倍首相は真珠湾の光景に戻って、スピーチを締めくくる。

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 私たちを見守ってくれている入り江は、どこまでも静かです。パールハーバー。真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。

 私たち日本人の子供たち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子供たちが、またその子供たち、孫たちが、そして世界中の人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います。[1]
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「リメンバー・パール・ハーバー(真珠湾を忘れるな)」とは、日本軍の真珠湾攻撃を「卑怯な騙し討ち」として、フランクリン・ルーズベルト大統領が米国民の憎しみを煽った言葉だった。そのパールハーバーを、安部首相は「和解の象徴として記憶し続けて」と訴える。

 メールマガジン「政治の本質」No.326で、筆者のロベルトさんは「リメンバー・パール・ハーバーの意味を反転させ上書きした」と評した[2]。安部首相の崇高な願いを無視して、この言葉を復讐心を込めたまま使い続けることは、「寛容の心」を持たない人間の仕業となった。


■5.感謝の声と憎悪の声と

 安部首相は演説後、真珠湾攻撃を経験した元米兵3人に歩み寄り、一人ひとりを抱擁した。最年長のアル・ロドリゲスさん(96)は各国メディアに取り囲まれて、「首相が来てくれて本当に感謝している。これは和解(の象徴)だ」と話した。[3]

 アメリカの代表的なニュース放送局CNNは、安部首相の真珠湾訪問を「歴史的訪問」と報じ、75年前の真珠湾攻撃を近くで目撃していたというロバート・リー氏(95)の「安倍首相の真珠湾訪問は、日米関係の『癒しの最高潮』だ」という言葉を紹介した。[4]

 一方、シナ外務省は、安部首相の演説について、「アジアの被害国にとっては、巧妙なパフォーマンスを何度繰り返しても1度の誠実な反省に及ばない」と、例のごとく謝罪要求を持ち出した。韓国の聨合ニュースも「戦争への謝罪はおろか、反省にさえ言及しなかった点で、日本の侵略を受けたアジアの被害国の反発は少なくないと予想される」と、同工異曲の批判を繰り返す。

「アジアの被害国」と言っても、こういう声に同調するのはシナと南北朝鮮の特定アジア3国のみであることは、すでに明らかとなっている。しかも、いままで何度、日本が謝罪しても、繰り返し謝罪や反省を求めるその魂胆は、世界の人々に知れ渡っている。

 首相の演説には、こうした声に対する先手が打たれていた。

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戦争の惨禍は、いまだ世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。寛容の心、和解の力を、世界は今、今こそ、必要としています。[1]
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 シナや韓国のあくなき謝罪要求は、「憎悪が憎悪を招く連鎖」に囚われた声として、世界の人々から見下される事になる。


■6.ウォール・ストリート・ジャーナル紙の称賛

 安倍首相のスピーチに関する新聞報道の中で、これはと思ったのが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の論評である。アメリカを代表する経済紙だが、保守派の見識を語る新聞でもある。

「安倍首相が真珠湾で示した日本の価値 安倍首相が率いる日本は米国の安全保障上の最重要パートナー」と題した社説で、そのイントロから力が入っている。

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 安倍晋三首相による27日の真珠湾訪問は和解の象徴だ。日米関係の重要性が増している現下の情勢が、今回の訪問をとりわけ劇的にしている。真珠湾攻撃から75年が経過し、北朝鮮の核兵器と中国の修正主義的な野望が太平洋地域に脅威を与えるなか、日本は米国にとって安全保障上の最重要パートナーだ。[5]
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 社説は、安倍政権が日本国内の抗議デモや国会での乱闘騒ぎを押しきって安全保障関連法を成立させて、自衛隊が米軍や他の友好国を守れるようにした事、防衛費を少ないながらも着実に増加させ、インド、台湾、東南アジア諸国などと関係強化を図った事を説明した後で、こう結んだ。

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 昨年の米議会での演説や今回の真珠湾への訪問を持って、安倍氏はこの事実を高らかに見せつけた。このことは称賛に値するだろう。11月のトランプ氏との会談も友好的なものに見えた。アジアの平和と発展にとって明るい兆しだ。[5]
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 アメリカの保守派を代表する新聞が、安倍首相の努力をここまで高く評価しているのである。シナの膨張主義を抑え込むべく、日米同盟と自由主義陣営との連帯を強化するという安倍首相の「希望の同盟」は、しっかりと受けとめられている。


■7.「憎悪の同盟」

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙の「北朝鮮の核兵器と中国の修正主義的な野望が太平洋地域に脅威を与えるなか」とは、日米のみならず、自由世界が抱える最大の問題を的確・簡潔に表現している。シナと北朝鮮こそ「憎悪が憎悪を招く連鎖」の筆頭だろう。「希望の同盟」になぞらえて、この2国を「憎悪の同盟」と呼ぼう。

 この二カ国は共産主義の看板をいまだに下ろしていない。もともと共産主義は、資本家階級に搾取される労働者階級という構図で、人々の憎しみを煽り立てて、エネルギーとしてきた。この共産主義陣営という「憎悪の同盟」の最後の生き残りがシナ、北朝鮮なのである。

 さらに、現在のシナ政権も、北朝鮮の独裁者一族も、自らの正統性を「抗日」に求めてきた。自分たちは日本を追い出した功労者だとして自らを正当化し、日本への憎悪を煽り立てることで国民を自らの政権に従わせてきた。この点は韓国も同類である。[a]

 安倍首相の言う「世界を覆う幾多の困難」の最大のものは、この「憎悪の同盟」が世界の平和と安定を脅かしている事である。それに立ち向かうのが「希望の同盟」の使命である。

「希望の同盟」とはいかにも明るい語感を持つが、もし「憎悪の同盟」に負ければ、日本も台湾も、東南アジア諸国も、チベットやウイグルのように絶望的な状況に陥る。さらにはオーストラリア、ニュージーランド、インド、そしてアメリカまでもが明日への希望を脅かされる。そして、シナや北朝鮮の人民自身の、現政権の圧政から自由になるという希望も永久に失われる。

 そういう意味で、「希望の同盟」が一歩誤れば、世界が絶望の淵に沈むという背水の陣に立たされているのである。


■8.「希望の同盟」は日米両国にとって歴史的必然

 安倍首相の言うとおり、「憎悪を消し去り、共通の価値の下、友情と、信頼を育てた日米」だが、この「共通の価値」とは、自由と民主主義のことである。しかし、戦後の日本がアメリカから「自由と民主主義」を学んだと考えるのは正確ではない。

 弊誌922号「アメリカの国体、日本の国体」ではこう述べた。

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 アメリカの国体が「自由を求める人びとの国」であるとすれば、日本の国体は「一つ屋根の下の大家族」である。[b]
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 わが国の国民は「一つ屋根の下の大家族」の中で、「大御宝」として大切にされてきた。およそ、わが国ほど「人民を圧政下におく独裁者」の少なかった国は希であろう。

 その中で、拙著『世界が称賛する 日本人が知らない日本』の第三章で述べたように、「自由」は日本の政治伝統であった[c]。その土壌があったからこそ、戦後の自由民主主義も何の抵抗もなく短期間に根づいたのである。

 アメリカは国民の自由、日本は国民の幸福と、それぞれの国体は違えど、シナや北朝鮮のような圧政が支配する独裁政治体制は、日米共に天を抱くべからざる敵である。ここにこそ「希望の同盟」が日米両国にとって歴史的必然である理由がある。

 その日米が先の大戦で互いに戦うはめになったのは、それぞれの政府内部にソ連のスパイが入り込んで、両国を誤った戦いに引きずり込んだからだった。[d]

 現代も「憎悪の同盟」は日本国内に触手を伸ばしている。偏向マスコミ、偏向教育、反基地闘争などは「憎悪の同盟」の工作である。我々は国内外で「憎悪の同盟」と戦っていかなければならない。
(文責:伊勢雅臣)


■リンク■

a. JOG(445) 「反日」は中・朝・韓の屋台骨
 中国・北朝鮮・韓国が「反日」を必要とする3つの理由とは。
http://blog.jog-net.jp/200605/article_1.html

b. JOG(922)アメリカの国体、日本の国体
「自由を求める人びとの国」という理想が、アメリカの歴史を作ってきた。それに対する日本の理想は何か?
http://blog.jog-net.jp/201510/article_4.html

c. 伊勢雅臣著『世界が称賛する 日本人が知らない日本』、育鵬社、H28
http://amzn.to/29wxUcW

d. JOG(951) ルーズベルト大統領が播いた「竜の歯」 ~ 日米戦争、冷戦、そして共産中国
 共産主義者に操られたルーズベルト大統領が、日本を開戦に追い込み、ソ連を護り育て、世界に戦争の危機をばらまいた。
http://blog.jog-net.jp/201605/article_4.html


■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 首相官邸、H28.12.27「米国訪問 日米両首脳によるステートメント」
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/1227usa.html

2. 政治の本質 No.326「リメンバー・パール・ハーバーの意味を反転させ上書きした安倍総理」
http://archives.mag2.com/0000288345/20170101000000000.html

3. 時事ドットコムニュース「真珠湾訪問「謝罪も同然」=生存元米兵3人が評価-安倍首相演説に列席」
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016122800495&g=pol

4. The Huffington Post 「『日米関係の"癒しの頂点"だ』 安倍首相の真珠湾訪問、海外メディアが好意的に伝える」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/28/pm-abe-visits-pearl-harbor_n_13867712.html

5. ウォール・ストリート・ジャーナル、H28.12.28「【社説】安倍首相が真珠湾で示した日本の価値 安倍首相が率いる日本は米国の安全保障上の最重要パートナー」
http://jp.wsj.com/articles/SB10878553558812384085704582523700441773214





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