【この本読むべし!】「地政学」は殺傷力のある武器である。兵頭 二十八 (著) 単行本 – 2016/2/26


「地政学」は殺傷力のある武器である。 単行本 – 2016/2/26
兵頭 二十八 (著)





内容紹介

世界は第3次世界大戦を予感させる転換期にある。とりわけ中国の脅威に直面する日本にとって、地政学の重要性はかつてないほど高まっている。本書は、地政学の祖であるマハンのシーパワー理論から説き起こし、古典ともいえるマッキンダー、スパイクマンの理論を中心に豊富な軍事知識を駆使して独自の視点で解説。さらにマッキンダーがなしえなかった中国大陸の地政学を論じ、日本防衛の地政学を構想する。日本初の本格的かつ実用的な地政学の教科書!

内容(「BOOK」データベースより)

地政学を知れば、日本が中国になど、絶対に負けない理由が理解できる。マハン、マッキンダー、スパイクマンを中心に地政学をその源流から独自の視点で解説し、マッキンダーが見落としていた「中国大陸の地政学」、さらには「日本防衛の地政学」を構想する。日本初の本格的かつ実用的な地政学の教科書!

著者について

1960年長野県生まれ。軍学者、著述家。1982年陸上自衛隊東部方面隊に任期制・2等陸士で入隊。北部方面隊第2師団第2戦車連隊本部管理中隊に配属。陸士長で除隊後の1984年神奈川大学外国語学部英語英文科入学。在学中に江藤淳氏の知遇を得て、同大学卒業後、東京工業大学大学院理工学研究科社会工学専攻博士課程に入学。1990年、同大学大学院修了、修士(工学)。その後、月刊『戦車マガジン』編集部などを経て、社会と軍事の関わりを探求しつつ、旧日本軍兵器の性能の再検討など、独自の切り口から軍事評論を行う。著書に、『有坂銃 日露戦争の本当の勝因』(光人社)、『軍学考』(中公叢書)、『日本人が知らない軍事学の常識』(草思社)、『パールハーバーの真実 技術戦争としての日米海戦』(PHP研究所)、『こんなに弱い中国人民解放軍』(講談社α新書)など多数がある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

兵頭/二十八
1960年長野市生まれ。陸上自衛隊北部方面隊に2年間勤務した後、神奈川大学英語英文科、東京工業大学社会工学専攻博士前期課程(江頭敦夫研究室)、月刊『戦車マガジン』編集部などを経て、現在は著述業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)








こんにちは、エンリケです。今回ご案内する本は「地政学教本・教科書」の名に値する本邦初でただひとつといってよい本です。 たとえ国家関係が緊張する局面になっても、狼狽することなく対処できる「芯」を一般素人でも培うことができます。

日本人の日本人による日本人のための地政学教本。 「地政学的に国際事情を捉えることのできる人間」でなく 「地政学を通じて国際事情を思考できる人間」になれる教本。 自立した日本人に必要不可欠な知恵が満載の地政学教本 です。

現代の天才・兵頭二十八最高傑作のひとつといえる内容ですから(ちなみにもうひとつは「日支宗教戦争」)、 イマスグ手に入れ、折に触れて読み内容を骨髄に沁みこむまで身につけてほしいです。

著者は「地政学」ということばについてこういってます。
<無価値なキャッチフレーズに堕していた「地政学」なる語の濫用>
誠にその通りで、一般人の間では、なんとなく、気分で使われているケースがほとんどです。

<みなさん、騙されないでください。「地政学的な大転換」は、どこにも起きていません。>



状況変化を説明する言葉として何かと言えば安易に使われてきた「地政学的・・・」という語。しかし著者にいわせれば、地政学とは、世界各国の「変わらぬもの、こと」を見極めるツールを意味することばにすぎないのです。まことに納得ゆく意味付けです。ここでまず蒙が開かれませんか?

わが国得意の「換骨奪胎」の実例。腹の底から日本のすごさを感じました

これまで地政学本はいろいろ出されており、ほとんどが優れた内容でなかには古典的な名著も含まれます。しかしどこかしっくりこない・・・そう感じてきた方は多いのではないでしょうか?

そんなもどかしい思いの中で、心ある人は地政学を学び続けてきました。でもこの本の登場でわかったのです。わが国は「日本人の日本人による日本人のための地政学」を求めていたのだ、ということを・・。

これまであったのは「外国の、外国による、外国のための日本語で読める地政学」だったんです。

地政学に関する書はそれなりに出回っています。しかしそのほとんどが外国の書の翻訳・紹介レベルにとどまっています。わが国がもつ知性のレベルから見て、そろそろ「日本人の日本人による日本人のための地政学」がもあっていいのでは?と感じていた人は想像以上に多かったのではないでしょうか?翻訳・紹介レベルでは、一般人では十分消化できないのです。

そんな期待に応えるため、わが国で最も優れた軍学者(*)が、ついに筆を取りました。

本著は「日本人が最も得意とする【換骨奪胎】」を地政学の分野で形にした初めての書です。本多利明、島津斉彬以来初めてわが国に地政学を本格啓蒙する人があらわれた、といって差し支えない画期的できごとです。その名は兵頭二十八。島津斉彬における西郷隆盛がわが国で生まれることになりそうです。

日本人の日本人による日本人のための地政学教本

他国の地政学にはやたら詳しいけど、自国の地政学が全然わかっていない。こんな人がやたら目立ちませんか?

本著は、地政学を通じて歴史のキモがわかり、歴史のキモをつかむ中で地政学の感覚を身につけることのできる本です。一番優れている点は「日本の地政学」について、まことに詳細に素人でも分かりやすい言葉で描き出されていることです。

「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」を実践できる地政学教本がわが国でできたわけです。日本人として本当にうれしく誇らしいです。

地政学を啓蒙する本なのに歴史の記述や脱線話が多いね。という印象を持つ人も多いでしょう。

地政学は歴史と不可分一体ですし、歴史の記述そのものには地政学的視座がなければいけません。しかし地政学を啓蒙する歴史が途絶えている今のわが国には、それができるだけの知的土壌がありません。ですから「細かな」歴史から説き起こさないと地政学の何たるかを正確につかめないのです。本質を取り違えた一知半解の徒による誤った地政学の拡散を抑止することもできますからね。

脱線話に見える史話もたくさんあります。マハンの父親の話やTRのミニ自伝など、知られざる歴史に興味を惹かれます。この種のはなしを読むうちに「地政学の考え方、感覚が生まれた背景」が自然に脳内にインストールされます。司馬遼太郎に通じる「面白脱線ばなし」ができる著者のたぐいまれな筆力を感じます。

兵頭さんはわが国唯一の一般人向け軍事啓蒙者です。私、エンリケがもっとも信頼する軍事評論家です。

業界では有名なはなしですが、この方、まぎれもない天才です。

天才の特徴の一つは「膨大な仕事量」ですが兵頭さんはまさにこれに当てはまります。軍事の世界で、個人名で、こんなにたくさん本を出されている人は他にいません。「着眼点」「発想」などの面でもさまざまな伝説を聞いています。(兵頭二十八都市伝説の一つに「若いころ、防研図書室のすべての図書を読破した」というのがありますが、これはご本人から「さすがにそれはありません」と否定されました・・・)

この本に書かれていることが、世界の中のわが国、を考える際の基盤です。生涯の伴侶足りうる傑作です。

『「地政学」は殺傷力のある武器である』を読んで解決することは、あなたが思っている以上に多いはずです。

では、戦後日本初の地政学教本の内容を見ていきましょう



目次

まえがき―なぜ地政学がいま注目されているか 1

第1章 栄えている者はなぜ栄えたかを知りたい
 「世界における英国の一人勝ち」の理由探しから始まった地政学 14
 帆船から蒸気船への進化が変えた「日本の間合い」 16
 船用エンジンの普及は、アメリカを難攻不落にした 20
 地政学を後押しした恐怖の「社会ダーウィニズム」 21


第2章 マハンとセオドア・ローズヴェルトという史上最強のタッグ 
 マハンの父デニスと、「ウェスト・ポイントの父」 27
 ドイツの空気 32
 アルフレッド・マハン、海軍兵学校に入る 33
 マハン、大坂湾で徳川慶喜を観察する 36
 父デニス・マハンの自殺 37
 米国海軍大学校とは? 40
 マハンを指導したルース校長 43
 海大は議会を啓蒙せよ! 46
 地政学の偉大な実践者「TR」について 47
 ニューヨークのオランダ人 49
 「棍棒政策」はTRの実父そのものだった 50
 時代の不満をとらえた海戦史研究 53
 ジェファソンは最悪の大統領だったと断言 55
 TRのイメージ戦略 57
 セオドア・ローズヴェルトの政界復帰 60
 マハンの主著が完成する 61
 その後のTR 63
 マハンは何を語ったか―『海上戦略史論』の裏を読む 64
 マハンの卓説:「艦隊は分割するな」 70
 マハンが心配しなかったこと 72
 マハン理論の瑕疵 74
 マハンの「情勢一括把握」の思考力を日本人は自分のものにできたか? 76
 マハンと通称破壊戦 79
 マハンの晩年 82


第3章 マッキンダーの地政学は何を語ったか?
 グローバリズムのアンチとして 88
 ロシアを特別にしたのは何か? 90
 「ハートランド」とはどこなのか? 91
 <独立中小都市>に最高の価値を認めたマッキンダー 92
 暑いと帝国ができやすく、寒いと都市ができやすい 94
 イタリア都市国家の勃興と廃滅 96
 温暖気候が欧州帆船の喜望峰到達を至難にしていた 98
 ヨーロッパは、ひとつの「半島」 101
 遊牧民の攻撃が「西欧」を結束させた 103
 「間接侵略」への地理的特性 105
 プロイセン人はもともとスラヴ人だった 107
 1878年の世界輸送革命 112
 「統制・計画経済」の創始者たち 115
 「常に半ヤケ」の兵営国家がつまずくと・・・ 117
 マッキンダーがついていけなかった石油の地政学 119
 近代ドイツ軍システムの登場 120
 ドイツ海軍が英国の脅威だったマッキンダーの青年期 121
 ティルピッツとドレッドノート 123
 アテネを衰亡させた「恐怖」とは? 125
 第一次世界大戦はドイツ民族が起こした、とするマッキンダーの説明 128
 鉄道は航空攻撃には負ける 129
 「ハートランド」がユーラシアの港を占領支配できなかった実例 134
 1本のシベリア鉄道が起こした反乱 136
 ロシアの地政学的性格 138
 それでもドイツは再び脅威になると予見したマッキンダー 140
 「広域単一専制」は不可能な夢物語だった 142
 英国の海上覇権から米国の海上覇権へ 144
 米国が孤立主義路線を採ることはあり得るのか? 145
 

第4章 戦争と石油の地政学
 英国はいかにして軍用石油を確保できたのか 151
 オクタン価戦争 152
 スターリングラードにこだわったのにも地政学的な理由あり 156
 なぜドイツ軍の車両用エンジンはディーゼルではなかったか 159
 ソ連軍の石油事情 161
 ドイツの対ソ攻略のジレンマ 164
 スターリングラードは石油運送の結節点だった 167


第5章 シナ大陸の地政学―マッキンダーの空白を補完する
 殷から周へ 174
 馬の利用法の伝播 177
 生産スタイルのと馬の相性 178
 春秋時代のはじまり 180
 気候変動と遊牧民 183
 農耕者集団の弱み 184
 農耕社会の強み 185
 二つの社会は戦国時代に融合した 187
 秦の天下統一の理由 190
 捕虜労働力と気候 192
 秦の滅亡と漢帝国 193
 漢朝の衰退と隋唐帝国 195
 古代の遠征補給 196
 「征伐」の真相 197
 弓と弩の戦い 198
 とつぜんの温暖化と「三国志」 201
 集中と分散の原則 203
 鮮卑系の統一王朝とその後 204
 内部から必ず裏切り者が出る文化 206
 鎖国ができる国土とできない国土 208


第6章 ドイツの地政学徒たちは何を言ったか?
 フリードリッヒ・ラッツェル 212
 ルドルフ・チェレーン 215
 カール・ハウスホーファー 217


第7章 スパイクマンは何と言ったか?
 非米世界では地域の強国と準強国とを拮抗させておけ 229
 リムランドの発見 230
 米国はドイツと日本を手離すな 235
 航空基地の地政学 236
 弾道ミサイルの地政学 237
 スパイクマンが予測もしなかった今日の世界 238
 機雷の地政学と毛沢東の人民公社 239


第8章 日本防衛の地政学
 日本と英国の「地勢」は本当に似ているのか? 245
 英国の地位は「風」が決定した 246
 恐怖の日本近海 248
 本邦で最初の「地政学者」は誰か? 251
 薩摩の地政学 252
 日露戦争での樺太作戦 255
 もはや日本は朝鮮半島を必要としない 258
 大正時代の大しくじり 259
 「ワシントン軍縮条約」が「日米戦争」を不可避にしてしまった 262
 世紀の筋悪条約だった太平洋防備の制限 266
 もし軍縮条約がなかったら・・・? 270
 世界大恐慌も起きなかった 276
 「明るい戦前」が実はあり得た 277
 海底電信の結節点になっている島嶼に注目せよ 280
 海南島の占領で「自衛」の説明ができなくなった 281
 日本海軍の国際条約無知 285
 エンバーゴ(経済制裁)とブロケイド(海上封鎖)は違う 287
 地政学の無知から自滅の戦争へ 290
 錫は石油以上に貴重な物資だったのか? 293
 真珠湾の大ヘマ? 295
 アマチュアは戦術を語り、プロは補給を気にする 302
 開戦後の石油 304
 戦艦の正しい使い方は何だったか? 306
 マリアナまで海送されてくるガソリンを潜水艦で阻止していたら・・・? 309
 機雷こそは「地政学的兵器」である 312
 すばらしい戦後日本の地政学的環境 315
 儒教圏のネガティブ・ソフトパワー 320
 「シェール・ガス革命」と「パナマ運河拡幅」が意味する地政学の新事態 323
 八戸港は東京よりもパナマ運河に近い 325
 対儒教圏の理想的バリアーとなるハイテク機雷 328
 投資しても安全なのは「海の裏玄関」がある島嶼国家 331


あとがきにかえて―軽忽な扇動屋に騙されないためには 333

http://okigunnji.com/chisei/ より








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