■■ 国際派日本人養成講座 ■■ 「核の傘」は幻想か?★中国が「核の恫喝」を日本にかけてきた場合、アメリカの「核の傘」に頼れるのか?


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Common Sense: 「核の傘」は幻想か?

 中国が「核の恫喝」を日本にかけてきた場合、
アメリカの「核の傘」に頼れるのか?
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■1.「核の傘」はフィクション?■

 ワシントンに住む国際政治アナリスト・伊藤貫氏は、かつて
米国防総省次官補(アジア政策担当)も勤めたカール・フォー
ド氏に尋ねたことがある。中国の海空軍が台湾を奇襲攻撃した
事態を想定して、こう訊いたのである。

 米中両国が戦争状態になり、日本にある軍事基地から米
海軍や空軍が出撃して中国の駆逐艦を撃沈し戦闘機を撃墜
すれば、中国政府は日本政府に対して「すべての対米協力
を即時中止せよ! 米軍に日本の軍事基地を使用させるな!
この要求に従わないならば、24時間後に大阪に核ミサイ
ルを撃ち込む!」という要求を突きつけてくる可能性があ
ります。

 その場合、日本の総理大臣はどう反応するでしょうか。
「アメリカの核の傘があるから大丈夫だ。中国が日本を攻
撃してくることなんかあり得ない」と言って対米協力を続
けるでしょうか。

 それとも「たとえ中国が大阪に核ミサイルを撃ち込んで
も、それを理由にアメリカと中国が核戦争を始めるわけが
ない。そんなことをすれば、数千万人も米国の一般市民が
死んでしまう。アメリカの大統領がそこまでして『核の傘
の保証』を守るはずがない」と判断して、中国からのニュ
ークリア・ブラックメール(核兵器による恫喝)に屈服す
るでしょうか。

「核の傘」というコンセプトは、やはりフィクションなの
ではないでしょうか?

■2.ドゴールの問いつめ■

「核の傘」というコンセプトがフィクションかどうか、過去、
いろいろな国が自分なりの答えを出している。

 フランスのドゴール大統領は、1950年代から独自の核兵器開
発を推進し、1960年に最初の核実験を成功させた。米民主党の
政治家や言論人は、ドゴールの自主的な核開発に反対し続けて
いた。

 そのドゴールがNATO(北大西洋条約機構)総司令官であ
る米軍大将と、「核の傘の有効性」に関して議論している。ド
ゴールはNATO総司令官にこう問いつめた。

 いったいどのような場合に、アメリカはフランスに対す
る核攻撃に報復するため、ソ連と核戦争をするのか? こ
のような場合にアメリカはフランス防衛のためにソ連と核
戦争をする、という軍事シナリオを具体的に説明してくれ。

 NATO司令官は絶句してしまった。ドゴールは同様の質問
を民主党のケネディ大統領にもぶつけた。ケネディは顔面蒼白
になって何も答えられなかった。民主党政権は、西ヨーロッパ
の同盟国を守るためにソ連と核戦争をするつもりなどまったく
なかったのに、「核の傘」理論でフランスの自主的な核抑止力
構築を阻止しようとしていたのである。

 ドゴール大統領は、単なる職業軍人ではなく、優れた軍事理
論書も執筆し、文学と歴史学にも深い素養を持つ古典的な教養
人であった。そのドゴールから見れば、アメリカの「核の傘」
理論は欺瞞に見えたのである。

■3.サッチャーの答え■

 イギリスもアメリカとの同盟国でありながら、その「核の傘」
には頼らず、独自の核兵器を持っている。その理由について、
1990年代の初頭、首相を退任したマーガレット・サッチャーは
ワシントンにおけるスピーチの場で質問を受けた。「すでにソ
連は崩壊し、冷戦は終わった。それなのになぜ、最近のイギリ
ス政府は、次世代の核兵器システム整備のために多額の国防予
算を注ぎ込んでいるのか?」と。サッチャーは次の3つの理由
を挙げた。

 第一に、1947-1991年の冷戦期に、米ソが直接軍事対決しな
かったのは、核兵器のおかげである。核兵器の破壊力があまり
にも強いため、米ソ両国は、彼らが支配する第三世界の衛星国
に代理戦争をさせることはあったが、核武装した米ソ同士の直
接の軍事衝突は注意深く避けた。この事実を見ても、核兵器に
非常に強い戦争抑止効果があることは明らかだ。

 第二に、イギリスは中型国家であり、その軍事予算は限られ
ている。この限られた予算を使って最大限の戦争抑止効果を得
るためには、通常兵器に投資するよりも核兵器に投資したほう
が、高い抑止効果を得られる。

 第三に、現在の国際社会は、核兵器を持つ国が支配している。
そのことが良いことか悪いことかは別にして、それが国際社会
の現実である。もしイギリスが常に最新型の核抑止力を整備し
ておかなかったら、イギリス政府は国際社会で独立した発言力
を失ってしまう。

 サッチャーはにこやかに、かつ堂々と「核兵器を所有するこ
とが、いかにイギリスの国益に貢献してきたか」を説いた。

■4.中国の「ズボンをはかなくとも」核兵器を開発する理由■

 中国は「ズボンをはかなくとも核兵器を開発する」と、貧し
い国家予算を核開発につぎ込んで、5番目の核所有国になった[a]。
それには次の4つの理由がある、と中国の軍人や政治学者は指
摘してきた。

 第一に、アメリカとソ連は核武装した覇権主義国家であり、
これら二国を牽制するために、自主的な核抑止力不可欠である。
現在の国際社会で自主的な核抑止力を持たない国は、真の独立
国として機能できない。

 第二に、1958年以降、ソ連は中国の核兵器開発に反対して
「中国はソ連の『核の傘』に依存すればよい。独自の核抑止力
を構築する必要はない」と主張してきた。しかし、この「核の
傘」という軍事コンセプトは、実際には機能しないものである。
たとえアメリカが中国を先制核攻撃した場合にも、ソ連がそれ
に報復するためにアメリカに核ミサイルを撃ち込むようなこと
はありえない。米ソ両国は、同盟国を守るために核ミサイルの
撃ち合いをするような愚かな国ではない。

 ソ連政府が中国に提供するという「核の傘」は、非核の中国
を、核武装したソ連の国家意思に従属させようとする覇権主義
的トリックにすぎない。

 第三に、1950年代から1970年代までの中国は貧しく、政府が
使える軍事予算は限られたものであった。通常兵器に100億
ドル投資しても中国は米ソからの先制攻撃を抑止できないが、
核兵器製造に同額を投資すれば、中国は米ソからの先制攻撃を
抑止できる。

 第四に、現在の国際社会で真の発言権を持っているのは、核
武装国だけである。核兵器を持たない国は、核武装に恫喝され
れば屈服するしかないから、真の発言権を持てない。中国が現
在の国際社会で真の発言力を得ようとするならば、自主的な核
抑止力を持たなければならない。

■5.中国は「核の傘」を信じない■

 このような考えからフランス、イギリス、そして中国と、い
ずれもアメリカやソ連の「核の傘」を信じずに、独自の核抑止
力を構築してきたのである。

 特に中国自身が、ソ連の「核の傘」を信じていなかったとい
うことは、日本に対するアメリカの「核の傘」も信じていない
ことを意味する。上述の第二の理由の主張で、国名を入れ替え
れば、こうなる。

 たとえ中国が日本を先制核攻撃した場合にも、アメリカ
がそれに報復するために中国に核ミサイルを撃ち込むよう
なことはありえない。米中両国は、同盟国を守るために核
ミサイルの撃ち合いをするような愚かな国ではない。

 
これが正しいかどうかは別にして、当の中国がこう信じてい
るのであるから、中国はアメリカの日本に対する「核の傘」な
ど恐れずに、日本に核の脅しをかけてくることは十分あり得る
のである。

■6.「日本にとって、そのような中国に対抗する手段はない」■

 冒頭で、このシナリオについて、伊藤氏から質問を受けたカ
ール・フォード氏はこう答えている。

 この場合、日本政府は「中国政府はそのようなニューク
リア・ブラックメールをかけてこないだろう」、もしくは、
「中国がニュークリア・ブラックメールをかけてきても、
それを実行することはないだろう」と希望するしかない。
もし日本が中国のブラックメールに屈服するなら、日米同
盟はそれでおしまいです。その場合、日本は中国の属国に
なるでしょう。

 結局、これはチキン・ゲームです。(JOG注: 脅し合い
で先に降参した方が負けるゲーム)

 もし中国が、「台湾を断固としてとる! アメリカと激
しく対立しても獲る! 日本にニュークリア・ブラックメ
ールを突きつけてでも獲る!」という鋼鉄のように厳しい
決意をみせてこの戦いに臨んでくるならば、日本は負けで
す。日本にとって、そのような中国に対抗する手段はない。
現在の状況下で、日本は「堅固な日米同盟」が中国にその
ような行為をとらせない効果があるだろうと希望するしか
ないのです。[1,p131]

 表だっては述べていないが、中国が本気で核の恫喝をかけて
きたら、アメリカの「核の傘」では日本を守れない、とフォー
ド氏は考えているのである。


■7.「核抑止力を持たない国は真の独立国として機能できない」■

 中国の核の恫喝に対して、日本が先に屈服して、米軍の出動
を妨害したら、カーク氏の言うように、日米同盟はそれで終わ
りとなる。米軍は撤退し、日本は中国の属国になる。

 また日本がアメリカの「核の傘」をあてにして、あくまでも
つっぱたら、どうだろう。ここで中国が核ミサイルを撃ち込む
と脅す対象が大阪となっているのには、理由がある。

 大阪には本格的な在日米軍の基地がないからだ。米軍基地の
ある東京や沖縄を核攻撃したら、米国自体を核攻撃したことに
なり、米国の報復の可能性もないとは言えない。しかし、大阪
なら、中国は日本だけを攻撃したわけで、米国を核攻撃しては
いない、と主張できる。

 その際に、米国は本格的な核戦争はやるわけにはいかないの
で、申しわけ程度に通常兵器で反撃をして見せ、同盟の義理を
果たした所で戈を納めるだろう。このケースでも、日本は米国
の「核の傘」が幻想だったと知り、結局は中国に屈服しなけれ
ば生きていけない、と悟る。

 サッチャーが「現在の国際社会は、核兵器を持つ国が支配し
ている」というのも、中国の考える「現在の国際社会で自主的
な核抑止力を持たない国は、真の独立国として機能できない」
というのも、真実をついている。

 核抑止力を持たない国が他国の「核の傘」に入る、というの
は、ある意味で、その国の属国になることだ。現在の日本はア
メリカの「核の傘」に入っているが、カーター政権の安全保障
政策補佐官であったズビグニュー・ブレジンスキーは、著作の
中で戦後の日本のことを「アメリカの保護領」(US
protectorate)と評している。

■8.「アメリカは、核武装したロシアや中国と戦わない」■

 伊藤氏は、カール・フォード氏以外にも、多くのアメリカの
政治家や学者にインタビューして、「核の傘」の有効性に関す
る見解を問い質している。そのうちの一人、共和党の連邦下院
軍事委メンバーであり、国際政治学の博士号を持つマーク・カ
ーク議員は、こう述べている。

 アメリカは、核武装したロシアや中国と戦争するわけに
はいかない。今後、中国の軍事力は強大化していくから、
アメリカが中国と戦争するということは、ますます非現実
的なものとなる。だから日本は、自主的な核抑止力を持つ
必要がある。「東アジア地域において、日本だけは非核の
ままにしておきたい」などと言うアメリカ人は、間違って
いる。現在の日本には、自主防衛力が必要なのだ。日本は
立派な民主国家なのだから、もっと自分自身に自信を持っ
て、自分の国の防衛に自分で責任をとるべきだ。[1,p125]

 伊藤氏は、この発言をこう評している。

 アメリカの政治家・外交官・軍人の大部分は、今後、ア
メリカが日本を守るために核武装した中国と戦争すること
はありえないことを承知している。そのような戦争は、ア
メリカ政府にとって、リスクが大きすぎる、しかしそのこ
と(その真実)を日本人の前であっさり認め、「だから日
本には、自主的な核抑止力が必要なのだ」と、本当のこと
を言ってくれる米政治家は、そう多くない。カーク議員の
インテレクチュアル・インテグリティ(知的誠実さ)は、
称賛されるべきものである。[1,p125]


■9.日本は自分の国の防衛に自分で責任をとるべきだ■

 アメリカの「核の傘」が信じられないのであれば、日本はど
うすべきか。直ちに自主的な核武装に踏み切るべきなのだろう
か。この問題は日本の総合的な安全保障体制の中で考えなけれ
ばならない。前号でも述べたが、日米同盟は、経済力・技術力
で世界第1位と第2位の同盟なのである。さらには台湾やアセ
アン諸国、オーストラリアなど、中国からの脅威に対して、運
命共同体として力を合わせてやっていける盟邦がありうる。

 一方で、中国の経済体制、政治体制は大きな内部矛盾を抱え
ている。かつて西側諸国が結束してソ連を崩壊させた戦術を、
今度は中国に対して行う、というアプローチもあるだろう。日
本が独自の核抑止力を持つべきか、という議論も、こういう総
合的な戦略のもとで考えるべきである。この問題に関しては、
稿を改めて、考えてみたい。

 しかし、そのような総合的な戦略を考えるためにも、まず必
要なのは、核の議論をすることすら封じよう、という風潮をま
ず打破しなければならない。本稿で紹介したような核に関する
国際常識とは、あまりにも隔絶した非常識が国内を覆っている。

 カーク議員の「日本は立派な民主国家なのだから、もっと自
分自身に自信を持って、自分の国の防衛に自分で責任をとるべ
きだ」という言葉を、まず噛みしめるべきだろう。
(文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(186) 貧者の一燈、核兵器~中国軍拡小史
 9回の対外戦争と数次の国内動乱を乗り越えて、核大国を目
指してきた中国の国家的執念。
b. JOG(040) 真の反核とは
「反核」を叫び、「制裁」を唱えているだけでは、世界はちっ
とも変わりません。

■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 伊藤貫「中国の『核』が世界を制す」★★★、PHP研究所、H18
 
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■「『核の傘』は幻想か?」に寄せられたおたより

昌さんより
「核の傘はフィクション?」、大変興味深く読ませて頂きまし
た、とても参考になりました。私は抑止力という観点ではなく、
日本人がもし核を持ったときにSelf Controlを120%出来る
だろうか、との疑念が今まで拭い切れずにいましたから、わが
国の核武装の必要性に疑問を持っていました。第二次世界大戦
で見せた集団になったときの自制心の欠如、これが万一再現さ
れたら、との恐れを否定しきれないでいました。しかし今回今
までの自分の考えをもう一度原点に戻り考え直す必要があるの
ではないかと思うに至りました。

 何故このような冷静で、論理的な議論が出来ないのか、不思
議でなりません。核所有の是非を論議するだけで糾弾される。
政治家、いや人間失格のごとく非難される。ヒステリックに、
かまびすしく、攻めたてられる。貴方は子供たちを再び戦場に
送りたいのですか!と。

 拉致のみならず再三自国の主権を侵されて、かつ依然として
侵された状態にありながらここまで穏忍自重している主要国は
日本以外にまずありえない。それでも昔の軍国主義(本当に軍
国主義であったか、又他列国がそうでなかったかは別として)
を蒸し返して非難される。それを煽り立てる自虐趣味のマスコ
ミ。世界の中で異質の日本、それで今までやってこれたのは、
冷戦が基本的に欧米対ソ連という構造で、日本は地政学的にも、
また役割的にも主役ではなかった。しかし今やその構造は様変
わりしている。隣国の中国が大国の仲間入りをし、生き延び、
発展する為に軍事・経済両面において急拡張を続けて、他国、
少なくともわが国と真の共存を図る考えがあるのか疑問を持ち
ます。

■ 編集長・伊勢雅臣より

 国民一人ひとりの事実に基づいた論理的な議論が何よりも必
要ですね。


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■終戦直後の日本人引揚者を襲う朝鮮人たち…「竹林はるか遠く」

朝鮮人の男たちが、藪の中へ女の人たちを引きずっていくのを見たし、若い女性に乱暴しているのも見たわ(111頁)。

彼ら(朝鮮人)は悦楽を求めて人々の間をよろよろ歩き、そして娘たちを見つける度に外へ引きずり出した。たびたび女たちの悲鳴が響いた。(118頁)。

また、朝鮮人が、日本人を殺したうえで金歯まで抜いている記述もある(129頁)。








■通州事件…盧溝橋事件発生から3週間後の1937年7月29日
北平(北京)東方の通州で中国保安隊による大規模な日本人虐殺事件が発生した■


夫を生きたまま腹を切り裂き…「これはおいしいぞ、日本人の腸だ、焼いて食べろ」…そうして、その妻である妊婦の腹を切り裂き胎児を取り出す。

それはこの男の人の頭の皮を学生が青竜刀で剥いでしまったのです。
頭の皮を剥いでしまったら、今度は目玉を抉り取るのです。このときまではまだ日本の男の人は生きていたようですが、この目玉を抉り取られるとき微かに手と足が動いたように見えました。




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