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【この本 読むべし】ルトワックの“クーデター入門" 単行本(ソフトカバー) – 2018/3/23

"ルトワックの“クーデター入門" 単行本(ソフトカバー) – 2018/3/23

エドワード・ルトワック (著), 奥山 真司 (翻訳)


内容紹介

「クーデターはやる気と材料があれば素人でもできる! 」
事実上タブー視されていたクーデターの研究に真正面から取り組み、クーデターのテクニックを紹介するという驚きの内容。

『自滅する中国』(芙蓉書房出版)、『戦争にチャンスを与えよ』『中国4.0』(文春新書)などの著作で、いま注目度がきわめて高い論客エドワード・ルトワックが1968年に発表した衝撃のデビュー作「クーデター入門」が50年の歳月を経て、改訂新バージョンで登場。
「クーデターに適している国とはどんな国か」→ 国家の“弱さ"を知る
「クーデターはどうやって起こされるのか」→ 予測し、防衛する方法を知る
「こんなものを書いて読者を誤らせ危険な目に遭わせることにならないか?」という疑問に対し、ルトワックははっきりと答える。
「クーデターはすでにいたるところで起きている。この本でクーデターのやり方を学べば“クーデターの民主化"への一歩になり、すべてのリベラルな心の持ち主が賞賛するだろう」
本書の初版本をベースにして映画『パワープレイ』(1978年)が制作され、「アラビアのロレンス」でも名高いピーター・オトゥールが悪役を怪演するなど、出版当時は英語圏でもかなり話題になり、結果的に17の言語に翻訳されている。

内容(「BOOK」データベースより)

事実上タブー視されていたクーデターの研究に真正面から取り組み、クーデターのテクニックを紹介するという衝撃の内容!



著者について

Edward Luttwak

ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門』(徳間書店)、『ペンタゴン』(光文社)、『アメリカンドリームの終焉』(飛鳥新社)、『ターボ資本主義』(TBSブリタニカ)、『エドワード・ルトワックの戦略論』(毎日新聞社)、『自滅する中国』(芙蓉書房出版)、『中国4.0』(文春新書)、『戦争にチャンスを与えよ』(文春新書)がある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ルトワック,エドワード
ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論


奥山/真司
1972年生まれ。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学卒業。英国レディング大学大学院博士課程修了。戦略学博士(Ph.D)。国際地政学研究所上席研究員、青山学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




トップカスタマーレビュー

著者はわざと乱暴な言い方をする傾向があるように感じます。

実際に中身を読んでみたら、クーデターの良し悪しについては一切著者は興味を示しておらず、この約半世紀ほどの間に世界中で起きたクーデター(600件を超えるといいます!)をただ客観的に分析し、成功例と失敗例の違いは何だったのかを学問的に論じてるだけです。普通に論じればいいだけなのにわざわざ入門書の体裁をとる必要があるのかと思いますが、前著「戦争にチャンスを与えよ」もわざとああいう野蛮なタイトルにするあたり、たぶん確信犯なのでしょう。
(前著は実際に読んでみたら、紛争が起きた時にはその地域を早く平和しようと考えて外部勢力が介入するよりも放っておいた方がむしろ結局は犠牲者の数はまだマシで済んでいる、という皮肉な現実を指摘してるだけなのですが。)

そして、著者のその乱暴さは長所と表裏一体でもあります。倫理上の良し悪しを一切問わず、感情を交えず、ただ客観的に戦争や戦略を論じるがゆえに、彼の文章は逆にどこか理系研究者のような誠実さを感じさせ、説得力を覚えるのです。

本書では途上国のみならず先進国についても論じてます。一般に先進国の政治構造は柔軟でクーデターは起こりにくいとしながらも一定条件を満たした場合はその限りではない(1958年のフランスなど)とし、現在ではイタリアが最も起こりやすいだろうと述べています。また、その国が中央集権的であればあるほど(あるいは少数の地域が事実上全国を支配していると)クーデターは起こしやすいとし、例としてナイジェリアを挙げています。

細かなクーデターの過程についても論じていて、もし軍を引き込むなら大隊単位で働きかけろだとか、警察は基本的に無視していいが機動憲兵隊がいる場合は別だとか、政治勢力への根回しや大衆への働きかけも重要だとか、政府要人を逃さないためにも政府側部隊の侵入を防ぐためにも空港は封鎖しろだとか、色々なことを成功例・失敗例を挙げて説明してます。

日本でいまどきクーデターをやろうなんて人はむかし学生運動なんてやってた恥ずかしい人以外いないでしょうが、例えば商社マンで取引先の国でクーデターが起きた時に事態が長引きそうかどうかを予測する上で本書は役に立つかもしれません。

個人的には、たとえクーデターに成功しても、新政権はその後の経済政策で大抵失敗し、弾圧やプロパガンダの流布でその失敗をなんとか誤魔化すことが多いという著者の指摘が一番興味深く感じました。





絶版中に大枚はたいて買っても後悔しなかった内容。というかそのほうが満足感高かったろうな、とへんな後悔中。
追)改定版だし、ルトワックの人となりを知っている青山さんの翻訳なので、こんなに安くていいのかとも言える。



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