「日米安保条約はもはや賞味期限切れ」…日高義樹氏に聞く「いま備えるべき日本の安全保障」論……キッシンジャーなんか「なぜ日本は核兵器を持たないんだ」って言っていますよ

日高義樹(ひだか・よしき)氏

米国のハドソン研究所首席研究員。1935年愛知県生まれ。東京大学英文科卒、59年NHKに入局し、ワシントン支局長、アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大学諮問委員を経て現職。著書に『アメリカはいつまで日本を守るか』(徳間書店)など多数。




尖閣諸島領海への船舶侵入、防空識別圏の設定など、強まる中国の軍事攻勢に対して日本人の不安が高まっている。いざという時の頼みの綱は日米安保条約だが、最近の米国政府の内向き姿勢が不安を助長している。オバマ政権の中国への宥和的な態度も気がかりだ。一体、アメリカは日米同盟をどうしようとしているのか――。


 「もはや日米安保条約は賞味期限切れだ」。NHKワシントン支局長を務め、長く米国の外交・軍事戦略を取材し、ヘンリー・キッシンジャー氏など米国の政官界に幅広い人脈を持つ米ハドソン研究所首席研究員、日高義樹氏はこう明言する。

 軍事予算を削減している米国は、日本を守る力も意欲も減退しているからだ。「自国のことは自分でやってくれ」という態度。しかも、国内総生産(GDP)が日本を上回った中国との関係を深めた方が経済的にも得策、という考え方が米国の政府、経済界に広がりつつある。

 もちろん安保条約の手前、尖閣周辺で日中戦争が火を噴けば米国は助けに来るが、空海軍による「エア・シー・バトル(空と海からの戦闘)」だけで、尖閣に上陸したりはしない。もし尖閣に中国の漁民や軍人が上陸したら、日本が自力で排除するしかないという。

 「日本は憲法を改正し、核武装を含め自力の軍事力を持つ必要がある」という日高氏に、いま備えるべき日本の安全保障体制を聞いた。



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井本 アメリカは内向きになり、また中国との経済関係を密にして、日本との関係を薄めつつあると言われます。


内向きになるアメリカ、ドル体制維持のために中国選ぶ

日高 アメリカのオバマ政権はアジアのパートナーとして日本よりも中国を選んだと理解していいと思う。日本より経済力の大きくなった中国を大事にするのは当然だという空気が今の米政財界にあります。米国経済は短期的には立ち直ったけれど、累積財政赤字は依然として大きく、ドル体制を維持するには米国債を買ってもらうなど中国の経済力に頼らざるを得ない。

 中国はすでに米国債の最大の保有国だが、今後も買い続けてもらう。その見返りに中国が人民元をドルにペッグし、国際通貨として石油代金などの支払いに使うことを許す。発表はされていないが、昨年6月にカリフォルニアで開かれたバラク・オバマ大統領と習近平・中国国家主席との会談で、そうした合意がなされたと私は推測しています。

 ドル体制維持のために中国を選んだ。しかも、イラクやアフガニスタンなど中東地域での軍事外交で疲弊したこともあって、米国は孤立主義に向かっています。「遠いところで戦争するなんて、もうまっぴら。外国のことなんて知らないよ」。最近の米国の世論調査を見ると、そうした声が過半数を占めています。べトナム戦争の泥沼に嫌気がさして厭戦ムードが広がった1960年代後半以来の内向き志向ですね。

井本 そこから、日米安保条約の意味合いが変わってきたと?

日高 そう、安保条約の空洞化、安保は時代遅れになったということです。歴史的に言うと、アメリカの安保条約締結の狙いは、まず日本をソ連に取られないようにすることだった。1951年のサンフランシスコ条約調印時、日本を独立させたら、すぐに日本はソ連軍を駐留させるのではないか、という不信感があった。また、日本は経済力と軍事力を回復すると、またぞろ中国に進出するかもしれない。それを阻止しようとも思っていた。

井本 日本を抑えるために平和憲法を制定させ、在日米軍基地を置く。いわゆる「瓶のふた」論ですね。



日高 もう1つ大きな狙いが日本の経済力の活用。日本を下請けにして日本の安くて高品質の商品を購入、アメリカの商品も日本に買わせる。財政が悪化してからは米国債を大量に買ってもらう。しかし、日本経済の低成長化と中国経済の台頭で、こうした時代が終わりました。

 軍事的にも従来は台湾有事、朝鮮半島有事という、起こり得る2つの戦争の後方基地として日本が必要だった。しかし、今や台湾はミサイルを持ち、北朝鮮も核保有国だから、地上戦闘はあり得ない。日米安保条約で台湾有事、朝鮮有事での軍事的意味合いが薄れたわけです。

井本 安保条約は、米ソ冷戦時は対ソ連、共産体制への防波堤としての意味が大きかったですよね。

日高 1971年のキッシンジャーの中国訪問は共産国家の中ソを分裂させて、中国を米国の味方につけるためでした。当時の中国は経済のみならず軍事力も弱かった。一方、日本は経済力がついたのだから、憲法を変えさせて日本の軍事力で極東の安定を保とうとも、米国は考えていた。

 1990年代初頭のソ連崩壊以降も、その考えを持ち続けていました。だけど、いくらアメリカが要請しても、日本は逃げまくってほとんど何もやらなかった。そうこうしているうちに、中国の軍事力が強くなってしまった。1970年代以降、日米安保は形骸化し時代遅れになりながらも、惰性で今日まで続いてきた、というのが実態ですよ。




「極東では日本が自力でやれ」が米国政府の本音

井本 でも、マスコミ報道を見ると、米政府高官やそのOBは今でも「日米同盟は大事、日本を守る姿勢は変わらない」と言っているようですが。

日高 日米安保をメシのタネにしているアメリカ人の言葉を表面的に聞くから、そうなるんです。客観的に見れば分かるように、財政悪化の中でいま米軍は縮小に向かっています。


 まず国防費を毎年10%づつ削減する。第2に2016年に在韓米軍を撤退させる計画です。第3に、2015年9月以降に海兵隊を現在の4個師団から2個師団に半減させます。艦艇も削減させる。

 これは、米国が自国の防衛に専念していくということを意味します。世界の地域防衛はその地域の同盟国に任せざるを得ない。「極東では日本が自力でやれ」ということです。

井本 しかし、最新鋭の戦闘爆機F22を沖縄にも巡回させる形で配備するなど、沖縄はじめ日本の基地の機能を強化しているように見えます。

日高 中国に対抗するために必要な軍事力は保持するということです。地域防衛をサボり続けた日本は頼りにならない。そこへ中国が大きく台頭した。ならば、中国と共存する道を探るという方向に変わったわけです。

 米国はアジアを中国に独占させたくはない。だから沖縄はじめ日本列島に米軍基地を置き、最新鋭の兵器を用意する。中国に勝手な行動はさせないよ、ということです。あくまでもアメリカの国益のための基地として日本が必要だというにすぎません。だから、米国の方から日米安保条約を破棄するとは言ってこないでしょうね。


井本 そうだとしても、結果的に米軍基地の存在が中国や北朝鮮の脅威を封ずる役割を果たすことになります。

日高 しかし、尖閣防衛のために米国が戦うだろうか。自分からは、まず戦争はしないでしょうね。尖閣諸島を中国軍やそれを後ろ盾にした漁民が占領しても、米国は手出ししませんよ。

 ただ万一、中国の駆逐艦が出てきて、日本の海上・航空自衛隊と戦闘になったら、安保条約に基づいて米空海軍は戦争に加わる。米軍はそのシミュレーションも作っています。でも、戦闘は海上とその上の空だけに限定しています。尖閣諸島などでの陸上の戦争は考えていないし、中国の基地も攻撃しない。日本の領土そのものを守るわけではないんです。

 だから、沖縄の普天間にいる海兵隊も、実は今の米軍の防衛戦略としてはあまり必要ない。日本は普天間の辺野古移転の話で大騒ぎしているけど、アメリカ議会はもう沖縄から海兵隊を全部引き揚げろ、と言っているくらいですよ。





米国が恐れるのは、とばっちりで日中戦争に巻き込まれる事態

井本 米国は日本と中国、韓国の間に緊張が高まっている点を憂慮し、もっと中韓と仲良くしてほしい、軋轢をなくしてほしいと言っています。

日高 それはそうでしょう。自分から戦う気はないと言っても、日本が乱を起こしたら、安保条約上、とばっちりを受けて日中の戦争に巻き込まれる。そんな面倒はごめんだ、迷惑だということ。日本のためを思って仲良くしろといっているわけではない。

井本 中国がミサイルで日本を攻撃し、沖縄にある米軍基地を攻撃することもあり得るでしょう。

日高 米国のシミュレーションでは、対中戦で米軍は圧倒的な優位に立ち、戦闘は10日間で終わります。米軍基地を攻撃したら損するのは中国だから、中国はやらないだろうと思っていますよ。

井本 それは日本にとってもいいのでは?

日高 中国が戦闘をしかけずに尖閣を取った場合、米国は何もしませんよ。海上でも中国船が日本の巡視船にぶつかってきた程度では動かない。キッシンジャーは「中国はosmosis、じわじわと浸透するように相手の領土を奪っていくのが得意だ」と言っている。シベリアも中国人が徐々に住み着いて人口が増え、気がついたら中国領になる。そうした事態をロシアは恐れています。

井本 沖縄でも中国人が浸透してきているようですが、米軍基地に手出しさえしなければ、米国は我関せず、の態度を取るわけですか。

日高 そう、日本の領土に近づいた中国船や中国の軍隊は自分で追い返す努力をせよ、ということです。以前の日米安保では「日本に軍事行動を起こさせない」が前提だった。今は「日本が軍事行動を起こして戦争にならない限り、米軍は出ていかない」という形に変わったのです。




対等の立場で守り合うのが本来の軍事同盟


井本 日本は米国を守らないが、米国は日本を守る。そのために日本に米軍基地を置くのを認めるという片務的な日米安保条約の賞味期限は切れた。双務的な対等の安保条約に変える必要があると?

日高 そうです。本来、対等の立場で守り合うのが軍事同盟。だから、同盟国が協力して敵に対処する集団的自衛権の行使など当然のことです。自分は戦わないで、守ってくれと言っても他国は動きません。まず国家は戦争するということを認める憲法にしなければ、米国民は相手にしませんよ。

井本 安倍政権は憲法改正を目指しています。集団的自衛権を行使できるようにしているのは、そのための第一歩ではないですか。

日高 一歩ではあるが、逆立ちの一歩だと思うんですよ。まず憲法を改正して、自衛隊も戦争するという前提にした組織に変えなければいけない。軍事裁判とか反逆罪とか、戦う組織としての法律も整備して。それが世界の常識です。それなしに集団的自衛権と言っても、国際社会では納得されませんね。

井本 特定秘密保護法を成立させ、日本版NSC(国家安全保障会議)も成立させましたが。

日高 それも憲法を改正しなければ小手先のことにしか見えません。日本版NSCの事務方のトップである国家安全保障局長を元外務次官の谷内正太郎氏にした点を見ても、軍事を軽視し、外交に偏っている印象を受けます。

井本 憲法改正には国会議員の3分の2の賛成が必要で、一朝一夕ではできません。

日高 それは分かるけれど、本当に改正に向けてヤル気があるのかどうか、まだ不明ですね。

井本 中国は南シナ海や東シナ海、西太平洋で勢力を伸ばしており、米国との軍事バランスが変えようとしています。それにより日本を心理的に屈服させようとしている、という見方もあります。




中国はそう簡単に東アジアを制覇できないが・・・

日高 ただ、米国では「そう簡単に中国は東アジアを制覇できない。中国周辺が安定していないからだ」という見方も有力です。

井本 不動産バブルの崩壊で中国経済がガタガタになるという見方ですか。

日高 私のいるハドソン研究所では「中国人は賢いから経済問題はうまく解決するだろう。現に中国政府は成長率を抑えて、バブル崩壊を起こさないようにしている」という声が強い。そうした国内問題ではなく、中国を取り巻く周辺国の脅威があるのです。


インド洋ではインドが海軍力を増強しており、中国の中東からの石油輸入ルートを脅かす存在になりつつある。インドはイランやアフガニスタン、イラクも味方につけ、中央アジアからインド洋にかけて中国の動きを封じ込めるだろう、と見られています。

 ロシアやインドネシアも今後、中国の拡大阻止に動く。米国が内向きになるにつれ、中国の周辺国も勢力を伸ばすわけで、「実は中国は東シナ海や南シナ海で威張っている余裕なんてない」とも見られています。

井本 安倍晋三首相が就任以来、インドや東南アジア、ロシアとの外交を活発に進めているのも、対中牽制が1つの狙いです。



日本は憲法を改正し、核武装を含め自力の軍事力を持て

日高 でも、そんな外交より、まずは憲法改正、自力で守る姿勢を固めることの方が重要ですね。
中国はミサイルで攻めてくる可能性もあるので、米国頼みにせず抑止力として日本もミサイルを持つ。そういう気概が必要ですよ。

井本 核武装はどうですか。

日高 そこまで考えていいと思いますね。

井本 米国が嫌がっているんじゃないですか。

日高 いや、キッシンジャーなんか「なぜ日本は核兵器を持たないんだ」って言っていますよ。ただ核兵器を持つ国が増えると、安全保障戦略が複雑化して面倒だから、日本の核武装に反対するという声が根強いのも事実です。

井本 米国には日本が核武装すると米国を攻撃するかもしれないという不安もあるようです。広島、長崎への原爆投下の報復をされるのではないかと。

日高 1つの解決策は英国方式でしょう。英国の原潜の核ミサイルは米国から借りている。日本も核ミサイルを米国から借りる仕組みにすれば、核兵器使用について米国がコントロールできますから。


2014.02.14
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39931





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